水野敬三郎・選考委員の選考理由説明:平成4年度の助成金による研究報告は,44件が寄せられ,これらを対象として平成5年12月10日第1回の鹿島美術財団賞の選考が行われた。1年間という限られた期間内の研究であって,もちろんそれ以前からの積重ねの上になされたものであるが,それにしても短期間でまとめられたものであり,また,200字詰原稿用紙20枚という限られた字数の中での報告ではあるが,中に注目すべき成果を示すものが少なからず見られた。今回は,これら44件の中から3件が授賞論文として選ばれた。原則的には,1年に2名ということになっているが,今回は,いずれも授賞にふさわしいという選考委員の一致した意見により,内藤正人氏,林秀薇氏,岡泰正氏の3名が授賞者に選ばれた。以下それぞれについての授賞理由を述べる。水野敬三郎・東京芸術大学教授17 -
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