鹿島美術研究 年報第15号
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に影響されていること,などを検証した。かくして,歴博E本は「京童」の挿絵を粉本とすることが明らかになった。そして,肉筆屏風画が版本の写しであるという,これまでの常識を覆す事実は,洛中洛外図の展開の最終段階にあらわれた興味ある現象であることが判明した。江戸時代の版本に精通した岩崎氏ならではの,翠独創的かつ精緻な研究であると評価され,本財団賞に選ばれた。-14

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