(1) (2) (ゥ)<足萎えの男を癒す聖ペトロ>1655年階段上ですれ違う二人の人物が,マールテン・ファン・ヘームスケルクに基づくフィリップ・ハレの同主題の版画に登場する二人の使徒の表現に基づくことを示し,併せて構図の生成過程について考察を行う。4. まとめ今回の研究で判明したことは,これまで重要視されてこなかったプッサンと16世紀ネーデルラントの版画との関わりが見逃すことのできないものであること,また意味を担った形象の組み合わせと構図の巧みな調整による寓意的な内容の可視化への志向が明瞭に認められることなどである。・「ニコラ・プッサンのくエリエゼルとリベカ>_構図の生成過程をめぐる二,三のきー一ー」『美学美術史研究論集(名古屋大学美学美術史研究室)』第13号(1995)・「ニコラ・プッサン作くサフィラの死>_フィリップ・ハレの版画との関連をめぐって一ー」『美術史の奇跡と波紋』(辻佐保子先生献呈論文集刊行会編,中央公論美術出版,1996年))・『鹿島美術研究』年報第13号別冊(1996)発表者による1640年以前の作品についての公刊された研究・「ニコラ・プッサン作くエルサレム落城>ー一着想源と構図の生成過程をめぐって『日仏美術学会会報』第14号(1994)・「プッサン作くマナの収集>について」『美術史』第138冊(1995)・「プッサン作くキリストの洗礼>をめぐって」『研究紀要(愛知県美術館)』第2(1995) 一」-19 -
元のページ ../index.html#39