鹿島美術研究 年報第19号
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② 2001年度助成金贈呈式(2)研究発表会① 「エイズと美術…エイズはいかに写真を変えたかーニコラス・ニクソンの作品を巡っ表も含めて『鹿島美術研究』3頁分)。内容的には質的に高くなっていると思う。財団賞はもとより,優秀者の笠原さんの「エイズと美術…エイズはいかに写真を変えたかーニコラス・ニクソンの作品を巡って」は現代美術それも写真を取り上げ,写真の見方を変えた視点,谷口君の「仏涅槃図の研究一高山寺本・浄教寺本を中心として一」において,図像解釈の儀式・儀礼を絡ませる視点など新鮮さを覚えた。終わりに西洋美術および日本・東洋美術の分野の割合に触れておくと,44名のうち,西洋美術が17名,日本美術が20名,東洋美術が7名でした。洋の東西を問わず,さらに多くの方が推薦されることを希望する。式に引き続いて行われ,選考委員を代表して,高階秀爾・東京大学名誉教授から2001事より助成金が贈呈された。本年度の研究発表会は2001年5月18日鹿島KIビル大会議室において第8回鹿術財団賞授賞式ならびに2001年度「美術に関する調査研究」助成者への助成金贈呈式に引き続いて,財団賞受賞者とそれに次ぐ優秀者である計4名の研究者より次の要旨の発表が行われた。研究発表者の発表要旨:発表者:東京都写真美術館学芸員笠原美智子ズ表象の問題を通して,写真が嘘をつき,写真家の立場や主義,呈示の仕方,発表媒体などによって,その写真の意味内容までが様々に左右されることが明白になったとされる。それだけでなく,観る者がどのような文化的,個人的バックグラウンドを持2001年度「美術に関する調査研究」助成金贈呈式は,第8回鹿島美術財団賞授賞年1月26日の助成選考委員会における選考経過について説明があった後,原常務理て一」70年代以降のニュー・クリティシズム,特に80年代後半から90年代にかけてのエイ-15 -

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