鹿島美術研究 年報第29号
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デミーの動向と、キャリア構築のためのブーシェ自身の制作活動との連動性が注目される。タピスリー下絵制作は、画家の副次的活動として軽視される傾向にあるが、タピスリーが所有者の地位や権力の象徴であったロココ時代において、画家ブーシェにとってボーヴェ製作所のための下絵制作がもっていた重要性を再評価する必要がある。― 22 ―

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