幕末洋風画など、源吉作品が風呂屋の壁画とその表現の起源を共有しているのは故無きことではない。源吉晩年の山形を描いた作品群が彼の目指した“国粋ノ様式”たり得たかは措くとしても、それらは“中央”で展開されたものとは異なる“もうひとつの”、土着的な近代日本洋画の姿であった。― 33 ―
元のページ ../index.html#52
このブックを見る