鹿島美術研究 年報第39号
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   有賀祥隆選考委員(東京藝術大学客員教授)の選考理由説明有賀選考委員おいて決定されました。まず、対象となる1人1人について選考委員の意見交換を行い、2次、3次の絞り込みののち、6名が最終選考に残りました。そこで慎重に審議を重ねた結果、日本・東洋美術部門から東京大学東洋文化研究所特任研究員の神田惟氏、西洋美術部門から武蔵野美術大学非常勤講師の藤﨑悠子氏が財団賞の受賞者にそれぞれ選ばれました。また、優秀者には各部門から、山口県立美術館普及課長の荏開津通彦氏及び東京国立近代美術館研究員の長名大地氏が選ばれました。財団賞の選考理由については、高階委員と有賀委員が各部門の選考理由を執筆しましたので、ここで読み上げます。真鍮製燭台について優秀者:荏開津通彦     中世絵画における猿曳の図様に関する研究神田氏の研究報告「新出のイマーム・ムーサー・カーズィム■寄進銘及びペルシア語詩銘入り真鍮製燭台について」は、「ティムール・ルネサンス」時代以降のイランにおける工芸と詩との密接な関係を実証するため、カタール国のドーハ・イスラーム美術館において実施した作品調査の成果の一部と、その宗教的、政治的意義をまとめたものである。取り上げられた作品は、今から20年ほど前にドーハ・イスラーム美術館に寄贈された真鍮製燭台《ドーハ燭台》で、調査実施の時点においては出版歴、展《日本・東洋美術部門》財団賞:神田  惟      新出のイマーム・ムーサー・カーズィム■寄進銘及びペルシア語詩銘入り第27回財団賞は、2018年に研究助成金を受けた54件のうち、その報告書を期限内に提出し、2019年11月刊行の『鹿島美術研究』年報36号別冊に掲載された報告論文を対象に、2019年12月20日に開催された選考委員会において、高階秀爾、河野元昭、大髙保二郎、小佐野重利それに私、有賀祥隆の選考委員5名による厳正な審査を経て内定し、2020年3月10日開催の理事会に― 16 ―

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