(藍取り)(朝鮮)ノコス」(写真④),水の字のれんの「黒ボカシ,アイ執り」(写真⑤),壷型に舟の字のれんの「A舟ーベンガラ,地藍,B地色寿共赤一色」(写真⑥),飛烏文のれんの「飛鳥ベンガラさし伏せ伏糊リンカクざらざら雲藍どり」(写真⑦),童子文のれんの「藍渋木地藍棒藍取のこし,鳥取木綿2巾朝木綿3巾嘉2覧団1日)」(写真8),壷文のれん「朝鮮木綿3巾52.3. 11」(写真⑨),ろくろ師文のれんの「鳥取木綿3巾」(写真⑩),山水のれんの「藍どり」(写真⑪)というように。また,笹牡丹唐草文裂試作(写真⑫)には紬地の染見本が貼付され「黄渋木,黄士,石黄,黄朱」,稲妻文裂試作(写真⑬)にも鬼紬地の染見本がつけられて「朱渋木にネズミ入れ石灰ばいせん,コチニール」と書き込みがある。これらの下絵と試作染の349点の資料について写真撮影の上,カード化して整理を行なった。次にこれらの資料をもとにして完成されたと考えられる作品の写真を共につけて検討する作業を継続中である。検討分析を終了した段階で後世に伝えるべき工芸史の資料としてこれらの資料を公開(刊行と展示)したいと考えている。芹沢娃介の全体像を形成する上で有効となる作品以外の資料についての整理も進行中である。以下に整理,分析中の資料を列記すると,娃介使用の染道具と顔料,芹沢娃介人と仕事展(1973年4月大阪阪急)展示雛形,芹沢娃介50年展(1974年11月岡山天満屋)展示模型原図と関係資料,芹沢娃介展(1977年5月サントリー美術館パリ帰国展)の展示模型写真,芹沢娃介作品集(求龍堂)の自筆レイアウトコピー(いずれも芹沢自身の手になる展示と図録のレイアウトである),パリ展開催に関する書類と253点の出品リスト,パリ“Jun”のための室内装飾と印刷物,うちわ,座布団などのリスト,明石市小川竜彦から芹沢への書簡130余通(極楽から来た挿絵についてのアドバイスと感想を書き送ってきたもの),挿絵を型絵染で制作した朝日新聞連載「守札の国」(石野径一郎作)スクラップ,芸生新聞連載「文化の反逆」(佐藤春夫作)スクラップ,朝日新聞夕刊連載「板楽から来た」(佐藤春夫作)スクラップ,昭和8年浜松市商品陳列所主催の草木染講習会の講演内容,芹沢染紙研究所のDiary(注文などのメモ)9冊,このはな会名簿,カレンダー購入者名簿(昭和21年から制作を開始して昭和58年まで続けられた手漉き和紙によるカレンダー),芹沢娃介に関する新聞記事の切り抜き,芹沢娃介に関する記事掲載の雑誌,テレビ出演の折のビデオテープ,芹沢娃介展の展覧会図録と展示風景写真などである。芹沢の写真資料については,年代順,項目別に分-187-
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