⑫ キプロス島の10-13世紀諸聖堂の現地調査研究者：共立女子大学国際文化学部専任講師木戸雅子本研究の目的は，キプロス島にある10世紀から13世紀のビザンティン時代の諸聖堂の壁画についての基礎研究として現地調査および資料収集をすること，それに基づいてこの時期におけるビザンティン絵画の様式的発展を追うと同時に，キプロス島の絵画の性格を明確にするところにあった。現地調査は，ニコシアのキプロス考古学局の多大な協力で当初の計画どおりに各聖堂の第一回調査をほぼ完了することができ，様式研究に必要不可欠な写真資料を多数入手することができた。下記のリストは調査実施聖堂であるが，この他研究に必要な関係資料も多数入手できた。現地調査の成果を踏まえて様式研究を進めていく過程で彩飾写本との比較研究が必要になったため，ヴァティカンヘ赴き，法王庁付属図書館所蔵のキプロス写本を同図書館で長時間にわたって閲覧し，その他の同時代写本とも比較しつつ細かく調査，検討を重ねた。ヴァテイカンでの調査は当初の計画には含めていなかったが，同図書館館長ボイレ神父のご好意で多くの成果をあげることができたことを深く感謝している。調査実施聖堂調査対象とした聖堂The Church of St. Nicholas of the Roof 11-14世紀The Church of the Sts. Joachim and Anna 12世紀初頭The Church of Panagia Phorbiotissa of Asinou 12-14世紀(1105/6) The Church of Panagia tou Arakou 1192 The Church of Panagia Amasgou 12世紀前半Lampadistis 12-16世紀The Church of Panagia tou Moutoulla 13世紀Enkreistra, Monastery of St. Neophytus 1183-1196 The Church of St. Paraskevi 12-15世紀（一部10世紀）The Church of the Holy Apostles 1169-1180 Kakopetria Kaliana Nikitari Lagoudera Monagri Kalopanayiotis The Church of St. Heracleidius, Monastery of St. John Moutoullas Paphos Yeroskipos Perachorio -193-
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