鹿島美術研究 年報第10号別冊(1993)
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この作品は元はハラリ・コレクションであったもので,紙本に墨画の略画法によるいかにも惹斎らしい作品である。花魁の前に垂らした帯を太い筆で一気に描き,また兵庫髯風の髪形や禿のV字形の髪形の表現も,まさに略画式の本領が如何なく発揮されている。署名は「紹真筆」とあって,その下に判読不明な花押が記されている。悪斎の肉筆画の新資料として総目録に加えられたことは,本調査研究の成果としてうれしいことである。-211-

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