2.摺箔「御摺箔/御地花色金ニテ雨龍等鱗形之模様/御裏紫/文化九年」3.厚板「色無し御厚板/御時浅黄等段格子丸の内桐鶴菱/弘化二年二月金谷様へ5.厚板「御厚板/御地紺編子地茶糸二而丸龍蜻蛉/安政六年八月出来/雲林院煎8.長絹「御長絹/御地黄御紋所檜扇二さいかち色綸御腰模様さいかち御稽古物/れるが,現在のところ資料3のように,畳紙の貼紙と装束の貼紙が一致するものを対象にし,調査を行っている。右図の左側の貼紙は,朱筆で収蔵番号らしいものが書かれており,これも全ての畳紙につけられている。まだ,それと知られていない装束も数多いことと思われるが,今回の調査記録をまとめる過程で,前田家と縁の深いコレクターばかりでなく,根津美術館や米国フィラデルフィア美術館のコレクションにも含まれていることが分かった。今後は更に調査を重ねてこの年表を作成し,寸法や仕立て,製織の面からも江戸時代の能装束の編年を研究できることと考えている。本稿を作成するに当たってはご多忙中にもかかわらず,各美術館の方々と諸大学の先生に数々のご協力,ご教示を賜った。特に岩下哲典氏(日本学術振興会特別研究員)には多岐にわたりご指導いただいた。改めて深く御礼を申し上げると共に,私がお約束を果たせぬまま不帰の客となられた故大倉栄三先生に本稿を捧げ,おわりの言葉とさせていただきたい。資料1能装束畳紙墨書一覧(原文ママ,ロ一字アケ,0不明箇所,文中下線筆者)<野村美術館蔵品>1.厚板「御地替り小格子/御厚板壱領/文化五年新出来」御招請之節被進」4.厚板「嘉永元年十一月従/御厚板/色無し御地者竹茶御模様花鳥菊亀甲竹唐草」放下僧毯雷電前一角仙人三笑天鼓前自然居士蟻通通小町歌占遊行柳唐船雨月綾鼓前木賊/右御宣旨安政七年宝生紫雪申上候」6.厚板「茶浅黄加者色段替地紋投桐蝶鱗形/御厚板/此分鶏立田坪織被為口召候而御宜敷旨御意被□遊候事」7.厚板「御稽古物/厚板御唐織/茶飛色嶋交段替り縁雪二志多れノ柳」亥十月卒都婆小町類御用ヒ弥五郎申聞候事」-33-
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