Resin Glue 威越化学膠粉)が使用されていた。ま日陰で数週間晒す。節を切除した節無し幹のみの長さ100■120糎余(肉厚4.5■5耗)のものを16分割し,その一本一本をさらに厚み方向に4枚に割る。この時一番外側になる表皮は巻胎の材料とはせず,肉部分の3枚を利用する。ある程度の数の材料が出来ると巻き始め,無くなるとまた割ると言う具合いで,決して沢山は準備しないのである。さて巻きはじめは,これから成形しようとする器の外円周に当たる円を長い材料の一端でつくり,先端から3■4糎のところに薄板幅の2分の1強の縦の切り込みを入れ,末端の方向に向かって三角形を切り落とす。次に同じ部分に接するもう一箇所には,前とは逆の辺から薄板幅の2分の1強の縦の切込みを入れ,先端の方向に向かって三角形を切り落とす。この2箇所の切込み(相欠部)を互いに組み合わせるのであるが,このとき3■ 4糎の先端部が円弧の内側にくるよう組むのがこつである(挿図4)。あとは内側へ内側へと末端まで形を整えながら巻き込んでいく。薄板が無くなれば次の材を突合せにして胎を成形する。ここまで一切接着剤は使わなかったが,成形完了後米糊1に対して水3の割合で薄められた澱粉糊を全面に塗り天日のもとで乾燥させる。規模の大きい工房でこの接落剤には中国製の合成樹脂(Weldwood Plastic 五.おわりに巻胎漆器の最大の特徴はその素地が割れたり,反ったり狂ったりしないこと。また,精密な輔鑢が無くともあたかも庫鹿櫨で挽いたかのごとく成形が意のままであること。また容器として利用するにふさわしく軽量であることなどが数え上げられ,それらは挿図3巻胎素地挿図4巻胎巻きはじめ要領-71-
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