鹿島美術研究 年報第11号別冊(1994)
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⑫ 瀬戸内海沿岸に所在する中国・朝鮮半島の仏像•仏画の研究山口•国分寺研究者:仏教芸術文化研究所研究員武田和昭大陸あるいは朝鮮半島から仏教が伝播する主要なコースとして,日本海ルートおよび北九州から瀬戸内海を通過し難波に至るルートがある。前者には出雲・若狭さらに能登などに中国や朝鮮半島の仏像や仏画などの存在がいくつか確認されている。一方,後者はより鮮明にその傾向が強いと考えられているが,その遺品についての具体的な所在については明確にされていない。本研究では地誌類や各市町村誌などを博捜して,中国や朝鮮半島から渡来・請来された仏像や仏画の所在確認を行い,さらにそのうち特に重要なものについて,いささかの検討を加えることとしたい。まず調査対象範囲を福岡・大分・山ロ・広島・岡山・兵庫・大阪・和歌山・徳島・香川・愛媛県の11府県の瀬戸内海沿岸の寺院とし,調査個所は70ヶ所余であった。はじめに仏像については,つぎのとおり確認された。(中国)木造十一面観音立像木造観音菩薩半珈像木造観音菩薩坐像木造観音菩薩坐像金銅釈迦誕生仏金銅釈迦誕生仏(朝鮮半島)金銅如来形立像金銅釈迦誕生仏金銅釈迦誕生仏金銅釈迦誕生仏金銅菩薩坐像金銅釈迦誕生仏金銅毘慮舎那仏坐像II II (唐時代)山ロ・神福寺(宋時代)兵庫・大覚寺(元時代)香川・正覚院(明時代)香川・萩原寺(元時代)愛媛・河内寺(明時代)愛媛・明正寺(三国時代)香川・六万寺( II ) (統一新羅時代)( ” ) 愛媛・善応寺広島・康徳寺山ロ・国分寺(高麗時代)香川・与田寺( II ) 山口県立博物館( II II FF -106-” ”

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