（香川・六万寺蔵）図1金銅如来形立像Iどがあり，台座は大和文華館蔵薬師如米立像（三国時代）をはじめとして朝鮮三国時代の仏像によくみられるものである。さらに顔をやや前につきだすことは，韓国・公州博物館の金銅如来立像に酷似している。以上のことから，この像も朝鮮三国時代の作とみられよう。最後に如米形立像IIIは，体部から台座までを含めた蛾型による一鋳造で，像高6.7センチ。右手は五指を伸ばしてやや前に出すようにして垂下させ，左手は屈腎し体部の外に張り出すようにして施無畏印を結んでいる。頭部は素髪で扁平に肉髯を表し，袈裟は通肩に着け，腹前から足元に衣文を刻み，両大腿部の盛り上がりを強調している。側面観はいくぶん前に腹部を突きだして反り気味にしている。面奥・体奥ともにかなり厚い。背面は頭部，体部とも大きく凹ませる。頭部と体部の中間に柄を突起させている。台座は六角形の桓の上に反花，蓮肉部を作る。小像ではあるが，両手をやや外にして堂々とした体謳を示している。背中を大きく凹ませることや衣文をタガネで細かく線状に刻むなどの点から，この像は統一新羅時代(8世紀）の制作であろう。さて，これら3体については『讃岐国名勝図会』（嘉永7年ー1854)に六万寺の歴史とともに興味深い記事がみられる。……寺記に日＜，当寺は天平二年，行基菩薩詔を奉じて，この処に一宇を草創して国豊寺という。その後七堂伽藍備わりて，薬師の銅像六万謳をつくりて安置せ-110-図2金銅如来形立像II（香川・六万寺蔵）
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