゜ヽヽノヽヽノ/ vヽプトの地より汝らを導き出せし主」から連想されたのであろう。はく契約の櫃の運搬〉,く最後の晩餐〉そしてく聖体拝領式〉が描かれている。モーゼの奇跡は,泉=洗礼,マナ=聖体のパンと解釈され,最後の晩餐及び典礼場面と聖体論的に一致する。詩篇本文もモーゼの事蹟を語っているので,主題とテキストの関係はさほど稀薄とは言えないだろう。聖体を軸にして旧約一新約ー現在に至る時間的な拡がりを一つの挿絵にまとめる試みが,ここでは成功している。にはく降誕・羊飼いへのお告げ〉が描かれている。上段の主題は3節「地上」や4節の神の称讃に呼応するようだが,7節「地はその産物を出しぬ」に基づく降誕との関係は,タイポロジカルなものほど明らかでない。また自らを鞭打つ苦行については,中世後期の信仰の在り方や関連するイメージに目を向ける必要がある。け起こされる人(2節)と2人の人物を穴に投げ込む天使達(10節I地の底に入り」),下段には剣で殺される人々の周囲をうろつく狐(11節「剣の手に付され,狐の分かつ所とならん」),そして6人の音楽家と共に竪琴を奏でるダヴィデ(12節)が描かれている。今まで見た例に比べてテキストの細かな言い回しまで視覚化されているが,穴に落とされる人々も,死骸を貪る狐もユトレヒト詩篇に登場している(f.35r)。なお他のコマはダヴィデや神に祈る人など,説話性が稀薄である点も見落とすことは出来な77篇〔図3〕の上段にはく泉の奇跡〉,<マナと身鳥の奇跡〉,<青銅の蛇〉が,下段に66篇には上段に種を蒔き耕す農夫と苦行の鞭打ちを聖職者から受ける人物が,下段62篇〔図4〕は,ユトレヒト詩篇の伝統を幽かに残している。上段には神の手に助図3BN8846 77篇(f.135r)図4BN8846 62篇(f.107r)-160-
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