鹿島美術研究 年報第11号別冊(1994)
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80cm前後のものの2種にわかれる。髪際高で前者は3尺,後者は2尺5寸に相当し,⑮ 津市・専修寺像(如来堂本尊)(注2)__イ象高81.5cm。木造,金泥塗り・切金,玉眼。着衣形式B-1。両手各指の爪に水晶をあてる。台座蓮肉の蓮実に緑色の珠,菓に銅板をもちいる。比叡山伝来という。⑯ 滋賀県草津市・芦浦観音寺像-------1象高98.3cm。ヒノキ材寄木造り,金泥塗り,玉眼。着衣形式A。⑰ 滋賀県守山市・観音寺像------1象高79.1cm。割矧ぎ造りか,漆箔,玉眼。仏足文は認められない(足首以下後補か)。螺髪は針金様のものを巻いた木心を植え付ける。着衣形式A。⑱ 滋賀県中主町・正善寺像—~象高98.9cm。ヒノキ材寄木造り,金泥塗り,玉眼。螺髪は銅線を巻いた木心を植え付けたものか。着衣形式A。銅線を巻いた木心を植え付ける。着衣形式B-2。着衣形式A。像底朱書銘「仁治三年九月十五日/法橋快成」。⑪ 米国・セントルイス美術館像--------1象高82.6cm。寄木造り,漆箔,玉眼。仏足文の有無は確認していない。着衣形式A。基本的な形状と法最諸像は,③千眼寺その2像をのぞいて,すべて来迎印を結び,左足を踏み出して立つ来迎形の阿弥陀如来立像である。米迎印はおおむねが左右手とも第1• 2指を捻ずるものであるが,⑮専修寺,⑯芦浦観音寺,⑱正善寺の各像が左右手とも第1• 3指を捻ずる形であること,⑰観音寺像の造像当初と思われる左手が第1• 3 • 4指を捻ずる形であることにいちおう注意しておこう。法量はおおむね像高lm弱のもの,像高いずれも三尺像と通称される鎌倉時代の来迎阿弥陀立像の規準的な大きさである。⑤鳥居観音像は小型で,前者の約半分の大きさであるのが変わっている。着衣形式を中心とする分類諸像の着衣の制は,左肩をおおう納衣,右肩をおおう偏杉を併用する平安時代以後⑭ 愛知県御津町・大恩寺像--------1象高79.5cm。木造。歯相をあらわす。着衣形式A。⑲ 京都市・本覚寺像--------1象高99.5cm。木造,漆箔,玉眼。歯相をあらわす。螺髪は⑳ 福岡市・万行寺像--------1象高81.4cm。ヒノキ材割矧ぎ造り,金泥塗り・切金,玉眼。-166-

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