向口成化豆彩に見られるものに最も近い。また,トプカプ・サライ博物館蔵孔雀文盤外側面の八宝棒持唐草文も成化年間に最も好まれた文様とされ,珠山出土成化豆彩陶片中に見ることができるものに近い。以上の点から②は15世紀後半,成化年間頃の作と考えたい。③ 東京国立博物館蔵五彩宝相華唐草文鉢「陳守貴造」銘腰の張った安定感のある形の鉢で,口縁はやや外反している。高台は薄く高く,外壁がやや内傾している。畳付き以外は施釉され,高台内に赤の方形重圏と「陳守貴造」の四文字が書かれている。見込み中央と外側面に宝相華唐草文,内側面には淡雅な線描の唐草文が廻らされている。賦彩は赤・緑が中心で花芯などの要所に黄・青を点じている。外側面は緑の比重か大きく,内側面は余白を生かした文様を配するなど,全体に抑整の効いた,落ち着きある絵付けとなっている。宝相華唐草文鉢「陳守貴造」銘③ 東京国立博物館蔵④ 東京国立博物館蔵⑤ 東京国立博物館蔵宝相華唐草文鉢「陳守貴造」銘見込み宝相華唐草文鉢「陳守貴造」銘古ム-177-
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