ヽノヽヽヽノ図8沈南頭草花群虫図(部分)図7-1 沈南蹟餐香宿艶図巻(部分)18世紀前期宮内庁三の丸尚蔵館四季花鳥図巻(部分)文化15年(1818)/ もまた二匹のあぶが牡丹の枝に沿うように配されている。さらにこの鄭培の「牡丹図」を模したような熊斐の「牡丹に蝶図」〔図10〕では,あぶのかわりに揚羽蝶となり,宋紫石の「牡丹に猫図」〔図11〕ではやはり揚羽蝶で,画面右端の岩の表現は小さくなったのに対し,猫を登場させるなど,モチーフに創意が加えられている。また,抱ーの「牡丹に蝶図」〔図12〕は一般には琳派的な作品と理解されがちな作品である。しかしこうして南萩派以来の流れの中で検討してみれば,牡丹の葉や岩などはたらしこみによる典型的な琳派の技法によるものの,絵の主題や構成は中国画の伝絃を引くことがわかる。また宋紫石の「芥子に群虫図」〔図14-1, 14-2〕は,おそらく南蹟の弟子の高鉤の手になる「四季花鳥画巻」〔図13-1, 13-2〕の芥子のような図に虫が描き込まれた中国画を模したと思われる。さらに時代は19世紀に下るが,宋紫石の孫にあたる宋紫岡の「花鳥図」(徳本寺)などにも虫が飛んでいることが確認されるのである。\ノ‘図1-4 酒井抱一図7-2図1-5 ,, ヽr-263-図7-3享保18年(1733)
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