(3) 「マリア祭壇」(カタログp.186,挿図10):中廊第一ベイ北円柱脇。マリア伝より9場面をあらわした浮彫を収める凸型の厨子とプレデルラはオリジナル。17世紀に描かれた翼扉パネルは1818年に取り外された。1520/30年にケルン派の画家によって描かれた現在の翼扉パネルは,もともと「セバスティアン祭壇」のものであった。(4) 「ヤコブ祭壇」(カタログp.186,挿図11):北側廊と北脇内陣を連結するベイに置かれている。1818年に解体され,1965/68年に再構成された。厨子内の彫像「寄進者を伴う聖大ヤコブ」,「聖ペテロ」,「聖マタイ」,プレデルラ,翼扉(一対)がオリジナル。厨子は再構成の際に復元された。(5) 「ヨハネ祭壇」(カタログp.187,挿図12):側廊第ニベイに置かれている。浮彫と彫像三体を収めた厨子のうち,中央の「聖セヴェリヌス」と「ベスローテン・ホフイエ(聖遺物や小彫像を収めた装飾的な礼拝用厨子)」となっているプレデルラは,もともと「カタリナ祭壇」に属していた。翼扉の絵画パネルは17世紀に描かれたもの。(6) 「マリアの七つの悲しみ」祭壇(カタログp.187,挿図13):南脇祭壇に設置されている。マリア伝より七つの場面を表した彫像と浮き彫りを収めた厨子,プレデルラ,尖塔状上部装飾(ゲシュプレンゲ),一対の翼扉よりなる。厨子中央の彫像「ピエタ」は19世紀の作に置き換えられている。翼扉の絵画パネルは17世紀に描かれた。(7) 「アンナ祭壇」(カタログp.187,挿図14,15) :もともとカルカー市のドメニコ会修道院聖堂にあった。1802年にニコライ聖堂に移される。「聖アンナと聖母子」を中心とする彫刻群像をおさめた厨子,プレデルラからなる。翼扉は新しく取り付けられた。プレデルラは以前「クリスピウス=クリスピニアヌス祭壇」に属していたもの。に三体の彫像と浮き彫りが収められている。プレデルラはやはり「ベスローテン・ホフィエ」。翼扉は17世紀に描かれたもの。3.ニコライ聖堂祭壇群の制作と19世紀以前の配置1802年にこの地方に進入したフランス軍の影響により,1818年には同聖堂の祭壇のうち7点が解体されたばかりではなく,内装全体が整理され,祭壇の配置も変更された。しかし,この16世紀当初の祭壇群の配置と制作状況は,記録によってたどること(8) 「聖三位一体祭壇」(カタログp.187,挿図16):「ヨハネ祭壇」と同型の厨子内部-409-
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