鹿島美術研究 年報第11号別冊(1994)
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mの石室(十畳ほどの長方形プラン)になっています。石で構築したのではなく,石こうした壁画は,必ずといっていいほど,3 〜 4回は上から描き重ねられていますから,修復保存の際に漆喰層を順番に剥がしていくことで,より古い壁画が発見できることは明らかです。壁画様式や信仰形態の歴史的重層性という点でも,南イタリアの中世壁画群は貴重な史料であることを強調しておきたいと思います。次に今回の調査で対象とした主な壁画と,その現状を記しておきます。所在地:S.Vito

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