Retiro)にある。本来,本館にあったものが別館に移されたものである。50の版画があ絵版画を手に入れた様である。一連の歌舞伎役者を描いた絵やその他の日本をテーマとする作品を見れば,少なくとも1870年以前に浮世絵を直接見たことがあるようである。数の点からいえば,マドリッドのコンプルテンセ大学美術学部図書館(Bibliotecade クションが最も大きいもので,808枚を誇る。元来サン・フェルナンドの王立美術アカデミーにあった絵画版高等学校(EscuelaSuperior de Pintura y Grabado)の所有であったものが,1967年に当学部と王立アカデミーにその所蔵品が分けられた際ここに保存されることとなった。が残念ながら王立アカデミーにこれらの浮世絵版画が入れられた日付の記録はない。20数冊の本も,その殆どが絵本であるが,同学部に保存されている。又,マドリッド国立図書館(BibliotecaN acional)には152の浮世絵版画コレクションがある。旧蔵者やその入手元についての記録はない。唯一の記録としては,1960年頃ある個人から直接購入して図書館に入ったことが分っているがその人物についても値段についても記録はない。春画も1枚あるがこの手の絵本をスペインで他には見ていない。前述の美術学部図書館のコレクションと日付,作者,テーマなど似ていることから,元々ーまとまりだったものがスペインで入手の際分けられたものであろう。多くの点で,国立図書館のものは美術学部図書館のコレクションを補完するものと思われる。第三のコレクションとしては,プラド美術館別館(Museodel Prado-Cason del Buen る。そのうちの多くはスイスのジュネーブで購入されたものであることが税関や所有を示す印章で分かる。しかし,この美術館へ至る経緯やルートを示す記録はない。規模は小さいもののスペインでは興味深いコレクションであるが,これに匹敵するものとしてビルバオ美術館のコレクションがある。ここには烏居派や豊信,春章,春亭,歌麿広重の作品がある。つまりスペインにおいて唯一浮世絵の期の作品があるところと言えよう。装飾美術館(Museode Artes Decorativas)は,幅広く100枚ほどの版画及び同数C)マドリッドのコレクション(Coleccionesen Madrid) la Facultad de Bellas Artes, Universidad Complutense)にある浮世絵版画のコレ-206-
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