号所収•平成五年)など。(2) <版7〉下絵には,他の多くの巻子本の紙背に使用されている「胡蝶(乙)」の版(注)(1) 森田清之助氏は『光悦』(大正五年・芸丹堂刊)百六十一頁において,「宗仁は紙屋宗二なれば,所謂光悦紙の製造には同人の尽力多かりしなるべし」とし,山根有三先生は『光悦』(昭和三十九年・第一法規出版刊)所収の「宗達金銀泥絵の展開と光悦」七十五頁において,「宗達の下絵を木版にしたのは唐紙の模様制作に経験のある紙師宗二であり,金銀泥刷にしたのも彼であろう。」とされている。木が使用されている。(3) 伊藤敏子「光悦の書跡」(「国華編」所収)百十頁。(4) 千田堅吉「唐長の京からかみ」(『唐長の京からかみ」(平成六年・学芸出版社刊)所収)六頁。(5) 『図説光悦謡本』において,表章氏は光悦謡本とその同時代文書に見られる雲母刷模様を,二百四十八種類あげ,光悦謡本に現われるものをそのうちの約八割,百九十九種類としておられる。これらは,一枚の版木から,省略刷りなどをすることで,例えば三種類の図様が刷りだされた場合,一種ではなく,三種と数える考え方である。本小論ではあくまで版木そのものが問題であるので,版木の枚数を数えて百二十三枚とした。(6) <版18〉は刷りをしてから紙継ぎをしているので,厳密に言えば,「枝付き桐(甲)」の版木が同ーエ房に存在したことが実証できるわけではない。しかし桐の図様が刷りだされている料紙の下地も薄や藤の料紙とあきらかに同質のものであることから,「枝付き桐(甲)」も同じ工房で制作された可能性が高い。(7) 「国華編」所収の山根有三先生の論孜「光悦書宗達絵金銀泥絵の成立と展開」,中部義隆氏の「謡本大原御幸と後藤本の木版雲母刷料紙装飾について」(大和文華九十資料1作品リスト「紙師宗二」印のある作品とその関連作品・作品のタイトルは「国華編」に準拠した。・タイトルの末尾のかっこ内の番号は,国華編における作品番号である。・年記のあるもののみ,下段に付記した。-229-
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