ご—埋葬された高昌貴族の顔面を覆っていた「面衣」である。周囲に平絹が縫いつけられている。この錦の模様の出し方も図1に同じく,対の形は上下打ち返しに織り出される。当時用いられていた織機が,空引機とは異なり紋様の繰り返しが経糸方向のみ可能であったからである。中国化しているが,ササン錦文(或いはソグド錦文)をモデルにしていることは確かであろう。漢代経錦とは異なる六朝経錦(蜀錦)の意匠は,当時の画家や詩人のよき題材となった。図2連珠孔雀貴字文錦く66TAM48: 6〉・経錦・高昌時代・アスターナ出土・新藉博物館-39 -
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