(1) 外国人研究者招致II.「美術に関する国際交流の援助」研究報告1.平成6年度援助① 東・西両洋における「絵画」の基本概念及機能の比較研究(A Comparative Study of the Fundamental Concept of "Painting" and its Function in the East+West) 招致研究者:ハンス・ベルティンク(HansBelting) 報告者:大阪大学文学部教授辻間:平成6年4月1日〜4月15日招致外国人研究者ハンス・ベルティンク氏(元ミュンヘン大学正教授,現在カルルスルーエ造形大学教授)は,韓国経由で4月1日に大阪空港に到着した。神戸に一泊して翌日,大阪大学文学部を表敬訪問,夕刻には教職貝会館にて大阪大学関係の美術史研究者と懇談した。前夜京都に移動したベルティンク氏は,3日夕刻には関西以西の大学に勤める助教授以上の美学,美術史研究者と長時間に亘り懇談。翌4日には嵐山の天龍寺を訪れ,紹介者を含む同行者3名とともに,約2時間に亘り禅師と,哲学,芸術の諸問題について懇談した。その後5-7日は京都,奈良の社寺を見学。8 B夕刻には,大阪梅田の阪急ターミナルビル会議室において「19世紀における傑作概念の成立」の題で公開講演を行なった。翌9日には福井,石川県に移動。まず永平寺を尋ね,導師の解説で,とくに開山堂における開祖像をめぐる儀礼について詳細に学んだ。翌9日にはまず三国海岸の大島神社を尋ね,神官の解説で島内のアニミズム的儀礼の遺跡,中世の木彫群を見学,午後には福井県立のフェニックス・センター内のヴィデオ・アート資料室を訪れて,かねてベルティンク氏が研究を行なっているナム・ジュン・パイク関係の資料を収集,担当者と懇談した。翌10日夕刻には金沢市にて美術館関係者数名と懇談。期国立カルルスルーエ造形大学教授成史-511-
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