30分オーバーしていた。2.その他のパネル・セッション参加った,内容に踏み込んだ質問もあり,終了したのは,1時30分で,本来の終了時間を岩下が,見学・聴講したパネル・セッションのなかで印象深かったのは,4月7日①「棒•石・壷そして区画一日本史を通じての考古学的識見ー」4月8日③「江戸都市社会研究における新しい傾向」である。①は,ジョン・ピゴット氏「王朝の考古学」,コウネリアス・キリー氏「木札と邸宅一木簡によって明らかとなった長屋王家ー」,エドワード・キッダー氏「廃寺となった国分寺一考古学的視点から一」,リチャード・ピアソン氏「1100年より1600年までの琉球王朝発展期における外来陶磁器と交易の方法」で,コメンテイターは,ハイネ・ファリス氏,司会はコンラート・タットマン氏であった。キリー氏の長屋王邸宅跡より出土した木簡のスライドやキッダー氏の信濃,武蔵国分寺跡のスライドが見るものを引き付けていた。また,ピアソン氏は,陶磁器の分類に言及し,日本人研究者の分類は,細かすぎるのではないかという指摘を行った。②は,カレン・ワェゲン氏「近世を地図に描く一比較概念の考察ー」,デビッド・ハゥール氏「日本における国境の前史」,ジェイムス・ケテラー氏「徳川リィリィージョン」,コメンテイターは,ハリー・ハルートゥニアン氏,マリウス・ジャンセン氏,司会は,ロナルド・トビ氏であった。ワェゲン氏は,鎖国とイギリスのカトリック排除政策との比較を行い,ケテラー氏は,徳川時代の宗教研究に関しては,宗教の発展段階説を取らない方がよく,仏教・神道・儒学に単純化しないで捉えることを主張していた。このパネルは,ワェゲン氏以下,アメリカにおける日本研究をリードする研究者が一堂に会したこともあって,比較的大きな会場だったにもかかわらず,立ち見も出るほどの盛況であった。③は,田中優子氏「染織を通じてみた江戸の都市生活」,ナムリン・ハー氏「化政文化と浅草寺盛り場」,小日置晴展氏「江戸史研究一考古学の貢献ー」,コンスタンティ②「初期近代日本(近世日本)の何が「初期近代(近世)」で,何が「日本人」なのかPART1」-561-
元のページ ../index.html#573