(1) 外国人研究者招致① 古代イタリア歴史・考古学(古代美術史)<ローマ帝国とその属州ーレプティス・マグナ>(The Italian Antiquities "Roma and The Provinces-Leptis Magna") 招致研究者:アントニーノ・ディ・ヴィータ・ガファ(AntoninoDi Vita Gafa) 報告者:イタリア文化会館広報担当古川上子間:平成5年11月7H■11月22日北アフリカやアラビア半島,シチリア島などを含む地中海域の古代ギリシア・ローマ美術史および考古学の分野において,世界的な権威者として知られる在アテネ,イタリア国立考古学研究所の所長であるアントニーノ・ディ・ヴィータ教授が(東京の財団法人鹿島美術財団の助成を受けて),来日することが出来たのは1993年11月のことでした。ディ・ヴィータ教授にとって,今回の来日は二度目で,先回の1984年5月のときはイタリア文部省文化交流総局とシチリア州文化財・教育局,そして日本側からは外務省や文化庁などの協力を得て,東京のイタリア文化会館において開催された“日伊考古学シンポジウム”に参加,<シチリアのギリシア美術および文化>をテーマに,ヨーロッパにおけるその研究状況や遺跡発掘調査,さらに文化財の修復・保存問題などについて話し,それまではこの種の分野で国際的な研究者との交流が行われることも稀だった日本の古代美術史家,あるいは考古学者の方々との情報・意見の交換も実現しました。そして約10年を経た今回の教授の来日の大きな目的も,東京のイタリア文化会館で開催される<古代イタリア歴史・考古学セミナー>への参加でした。同セミナーの本年度のテーマが『ローマ帝国とその属州』であり,当然,古代都市の中でもローマの重要な属州となったアフリカの各都市への言及は欠くことが出来ず,中でも一番ローマ化が進められた,属州でありながらローマ皇帝にまでなった人物,セウェルス・セプティミウス(在位193■211)を生んだ北アフリカの“レプティス・マグナ”2.平成5年度援助期在アテネ,イタリア国立考古学研究所所長-567-
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