3.彩色部分の分析4.保存,彩色部分もやや良好なるもの。13面。5.現在のままでも良し。少し手を入れれば良いもの。14面。2.木部に亀裂,破損が生じているもの。8面。内5面は彩色(3)に統合重複。る。ボストン美術館では,全体が弱く剥離した部分に於いては弱く修復するが,“ボンド”“エポキシ”は強すぎるのではないか,と。“ボンド”についても,私は極<極く薄めて使用することを説明,私の修理法は,200年,300年の胡粉彩色によるニカワの退化を考慮した上で,補修部分が,定着している部分と異和感の無い様に,退化している弱さに調合して接着することを説明,水によって接着剤を希釈すること,接着剤の浸透によるシミをボカス方法など興味を持たれ,修復方法に共通点のあること,等々,考え方の上で一致を見ることが出来た。カビの洗浄について種々の溶剤,洗剤を提供し,石油ベンジンは有害なので他の溶剤を用意したいと申される。4月12日より開始した調査結果。能面,狂言面,伎楽,舞楽面,31面天狗面その他,16面合計点検は,総体的に見た視検。表面の目,歯など金物,髪,髭などの植毛,彩色を含めた損傷状態。能面の輪郭部分,周囲の彩色の浮きを含めた状態。裏面の漆の有無,損傷の状態。彩色の剥離,浮き,損傷の状態を分析,大,中,小に分類した。分類。1.全体に損傷甚しく危険な状態。21面。(大)甚だしく剥離損傷と,浮きの状態。21面。(中)現在ならば補修可能の状態。42面。(小)修復することによって復元可能。51面。合計165面。(170面の内5面重複)次いで,ボストン美術館の在庫リスト(コンピューター記録)の能面の名称,作家の修正,訂正をする。現在迄,美術館には在庫面の写真も無く,美術館側で新たにフ143面22面212面-573-
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