鹿島美術研究 年報第13号別冊(1996)
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゜(付記)本研究に際して,醍醐寺の御厚誼と醍醐寺霊宝館長西川新次氏・川村知行氏し、むすび以上,詫綾草創当時の大伝法院の景観と諸仏荘厳をたずね,多少の所感を述べた。近年になって,本稿の発端になった「醍醐寺文書104」の紹介をはじめとして,大伝法院領在銘の弘法大師像(和歌山県遍照寺蔵永仁二年良円作平成八・重文)や宝満寺・大日如来坐像(神戸市,像内金銀箔に覚鐙の著述の一部や阿弥陀梵字(キリーク)などが朱泥書されている)など大伝法院や関連文化財の確認が相次いでいる。しかし,真言系密教美術のなかで大伝法院および覚鐙系統の造像・図様の位置付けを考える際には,さらに広範な関係資料の収集が必要であろう。諸氏の御教示を賜りたに御指導を賜わった。しるして謝意を表したい。なお,紙面の都合上,注は引用文献をのみ示すにとどめた。図l興教大師覚錢像=長谷寺蔵=-97-

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