樹下の菩薩半珈思惟像,その下に供養者名,さらに下方に騎馬供養者像と馬を従えた供養者像を二段に表す。左側面は碑身部上段に菩薩立像を彫り,その下に鬼神,さらに下に騎馬供養者像を浅く刻み,供養者名を付す。正面下段の造像記に「(前略)合邑七十人等敬造室象(?)石像一謳」,(中略)「建儀元年歳在母(戊)申六月丁亥朔廿八日甲寅曰」とあり,さらに後ろから3行目に「天賓二年保荘厳功徳飛騎尉杜思福」との唐代の追刻銘がある。作風は後述するボストン美術館蔵北魏永安2年(529)銘造像碑と酷似する。(7)碑像〔図7〕北斉・武平6年(575)。フィラデルフィア・ペンシルヴェニア大学博物館。石灰岩。る。正面は碑首部に帳幕寵を設け,中には菩薩半珈思惟像を中心に左右に2弟子2菩薩の5雌像を配する。寵上には塔があり左右から2頭の倒龍が支え,飛天が舞う。寵外左右には力士が侍立する。碑身部は3段に区切られ,上・中段に仏寵,下段に銘文を刻む。上段の仏寵も樹木で被われ,その中に左右2寵を設ける。右寵は施無畏印の菩薩坐像を中心に2弟子,2菩薩を脇侍とする5尊像,左寵は施無畏印の如来椅坐像(膝より下欠損)を中心に2弟子,2菩薩を脇侍とする5腺像で,両寵の間にも菩薩が立っている。台座の下は山岳が表され,その中に禅定比丘や動物の姿が見える。中殿は双樹の間に施無畏印の菩薩半珈像を中心に2弟子2菩薩2螺誓(?)を配する7尊像で,両側に力士が侍立する。下段は造像記を刻む。背面は碑首部に双樹で寵を象り,施無畏印の如米坐像を中心に左右に2弟子2菩薩像を配し,左右の樹幹の外に合掌する螺髯像を造る。双樹の幹には倒龍が巻き付いている。碑身部は2段に区切る。上段は帳幕寵で右に如意を持つ文殊菩薩,左に塵尾を執る維摩詰を対置し,間には聴間の比丘を表す。下段は尖挟寵で,二仏並坐像を中心に2弟子2菩薩を配する。その下は罫線を刻むが文字は彫られていない。右側面は碑首から碑身部にかけて上下4寵を設け,最上寵に菩薩立像,下の3寵には如来坐像をつくる。下部は罫線のみ刻む。左側面も4寵で,こちらは最上寵を如来立像とする以外は右側面と同様である。正面ご)銘文に「(前略)大齊武平六季□次乙未四月乙酉朔八日遠採奇軸口祢近訪三絶之手敬遠碑像一犀通高八尺像乃重堪穏起鍍離龍之賓樹」云々とある。北魏・永安2年(529)。ボストン美術館。石灰岩。高190cm。幅65cm。厚18cm。頂高205cm。幅66cm。厚23cm。頂部は丸く樹木でおおわれており,通常の璃首とは異な(8)合邑五十人等造像碑〔図8〕-283-
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