注(1) FirdausI (934■1025)はペルシア最大の民族叙事詩人であるが,その生涯は定かMantiq al-Ta yr)である。テクストはフィルドゥースイー『王書ーペルシャ英雄Muhammad Dabir SiyaqI校訂,1335H(1916A.D) nau-roz=新春,Tehranを(4) ペルシア語で馬は通常Asbを使用する。Rakhshは固有名詞で使われているが,(2) "Shah nama”はフィルドゥーシーがペルシア語で創作した民族叙事詩。アブー・(3) 獅子=勇気・勇者・恐ろしさ,豹=戦闘,象=カ・恐ろしさ・巨大(酔象=猛獣),(5) ラクシュは鞍と手綱をつけられ,ロスタムの体・胸.頸・胴甲・兜・鎚矛などをラーム独特のものと言える〔図14〕。人間と動物との密接な関係は先史に遡り,狩猟・採取が生業であった時代から人間は様々な動物表現を残している。初期には奔放な線描で描かれた形象が,単純な色彩で強調されている場合が多い。最も身近なものでありながら,闘いと共存を繰り返してきた動物を,あらゆる時代の芸術家たちは好んで自画像のごとく描き,刻んでいる。そこには願望・恐れ・呪い・怒り・哀しみ・憧憬•愛情•安らぎ・慰め・喜び・祈りなど人間の持つあらゆる心情が託されており,そこに人間と動物との関係における普遍性=魂の共有,精神世界を見い出し,共感するのである。ではない。イラン東部のトゥースの地主の家に生まれ,『王書』の完成時はイスラーム暦スィファンダールマズ月アルド日=1010(1601)年2月25日とされている。ガズナ朝スルタン・マフムードに献上したが受け入れられず,郷里で死去した。マンスール編『散文王書』などを基に,マスナビー詩により,約6万対句で成立している。イラン建国から七世紀半ばのササン朝滅亡までが書かれている。史料としての価値よりも文学的影響を後世に残している。その代表的な作品はアッタール(ca.1136■ca.1230)の傑作とされている『鳥の言葉』(あるいは『鳥の会合』・叙事詩』東洋文庫150,黒柳恒男訳,平凡杜,1980及びFirdausI"Shah-nama" 使用した。玲羊=敏捷さ,鷲=飛翔の高さ,鷹(白鷹)=崇高,雉子=視力,雄鶏=飾り立てた美しさ,鰐=狡賢さなどが代表的である。同時に黒斑馬,栗毛馬の意味がある。その他にも稲妻・虹・光の反射・迅速・歓び・繁栄・幸福などラクシュの性質を示す語を含む名詞でもある。-337-
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