゜神傑所1756 る。よって動植物図鑑のように個別の名称を特定することは不可能である。浅学ゆえに本文で紹介した名称に間違いもあると思うのでお許しいただきたい。なお,疑わしい文様については?を付しておいた。次に建築彫刻の中で識別の難しい文様を列挙する。霊獣では,象と摸がある。象は足が短く,獲には巻毛がある。龍と麒麟と飛龍と水犀は,麒麟は全体に馬に近く,飛龍は龍に羽が贅いたもの,水犀は馬に近いが甲羅がある植物では,草花か花木かで大きく分類する。牡丹・薔薇.芙蓉・均薬は,葉の形と酋みの形で見分けた。芙蓉と木種はアオイ科で似ているので芙蓉に統一した。椿と蹄躙の識別は花びらの枚数をポイントとした。椿と山茶花は花の付き方で分けた。杜若と菖蒲は波のあるものは杜若とし,他は菖蒲とした。鳥は建築の場合必ずしも実物大ではなく,彩色も正確ではないので,単に鳥としたものも多い。鳳凰と鸞は,冠羽と尾の形,錦鶏と雉と孔雀と山鶴(別名三光鳥)は,彩色と尾の形と長さで分類した。雀・鳩.鶯・身鳥・雲雀など馴染みのある鳥でも,建築彫刻では見分けが難しく,梅なら鶯としたものもある。鴨と雁は,鴨に統一した。今回は紙面の都合により,建築個別の解説と文献は省略し,地域別建築一覧・東日本年代別文様一覧を添付した。なお,石川県の建築彫刻の詳細については,拙著『石川県の建築彫刻』(石川県立美術館紀要第3号・昭和62年発行),兎と十二支については『建築の中の兎たち』(石川県立美術館紀要第9号・平成6年発行)を参照ください。地域別建築一覧※最初の0は彫刻に彩色のあるもの(平成8年4月26日作成)大きさとは,桁行(間口)X梁間(奥行)権現造については拝殿の大きさを記した。社寺名称建築名称年代瑞巌寺五大堂0大崎八幡神社社殿0仙台東照宮本殿0烏越八幡神杜本殿拝殿幣殿1695 0妙義神杜社殿大きさ造り1604 3 X 3 1607 7 X 3 入母屋造梅村彦左衛門家次宮城県仙台市1654 3 X 2 入母屋造梅村彦作1638 1間社流造3 X 2 入母屋造1756 3 X 2 権現造飯村木工允久敬5 X 1 唐破風造大工など鶴衛家次山田真親-29 -住所宮城県松島町宮城県仙台市山形県新庄市群馬県妙義町
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