鹿島美術研究 年報第13号別冊(1996)
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⑥ 伊藤若沖の晩年の活動:深草時代(C.1788-1800)(date years of Ito JakuchO: FUKAKUSA PERIOD (C.1788-1800)) 報告者:プリンストン大学美術史・考古学科教授清水義明東京大学文学部美術史研究室外国人研究貝として,1996年2月1日より同年3月31日迄上記のテーマに従って研究をしました。同大学の総合図書館及び美術史研究室所蔵の資料を利用し,同研究室の河野元昭教授の助言及び指導をこの間受けました。3月18日より同月28日迄はJAWSに参加したため東京大学へは行かず,他の参加者と行動を共にしました。その他の日は合計52日間の東京滞在になりました。目的三年前から計画をしていた本年(1996)2月1日より9月1日迄のプリンストン大学からの研究休暇の予定が或事情により根本的に短縮,変更せざるを得なくなり,2 月と3月のニヶ月を東京で研究に専念する目的とする事になり,同期間中,集中的に考察可能な課題を二つ選びました。一つは大典顕常の「紀平安火災事」の英訳,もう一つは皆川澳園の「梅渓紀行」の英訳であります。双方とも若i中の晩年の京都,とくに天明八年(1788)の大火と若沖の作画活動のコンテクストを再考する為であります。日程-701-

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