鹿島美術研究 年報第14号別冊(1997)
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ものを明らかにしたい。まずは基本的なデータを以下に掲げる。作品名子供の脳Lecerveau de l'enfant 制作年1914年材質技法油彩,カンヴァス寸法(縦x横)80X65cm 所蔵ストックホルム近代美術館来歴ポール・ギョーム(パリ),アンドレ・ブルトン(パリ)展覧会歴1920-21年12月26日ー1月25日近代美術国際展,ジェノヴァ画面中央に,口髭をはやし,眼を閉じて黙想する裸の人物がいる。人物の前のテーブルにはシオリをはさんだ1冊の本が置かれ,さらにその手前に,左画面3分の1を占めるカーテンが描かれている。また,画面の右上には窓があり,柱廊のある建物と赤い塔が見えている,という作品である。この作品は,デ・キリコの第一次パリ時代(1911-1914年)に描かれたもので,パリのボエティエ通り59番にあったポール・ギョーム画廊が扱っていた作品である。ブルトンはこの作品と運命的な出会いをするのである。「この絵をボエティエ通りのショーウィンドーのなかに垣間見るや,抗しがたい力が私をバスから降ろしてしまい,引き返してじっくりと見たのだった」(注8)というように,ブルトンは通りかかりにそれを見て,その不思議な魅力に心を奪われたという1928年2月15日ー3月1日ジョルジョ・デ・キリコ旧作展(ルイ・ア1934年ミノトール展,パレ・ド・ボザール,ブリュッセルラゴン企画),シュルレアリスト画廊,パリ下略Moderna Museet, Stockholm (inv. no. NM 6068) no. 40, Exposition International d'Art Moderne, Genova Oeuvres anciennes de Giorgio de Chirico, Galerie Surrealiste, Paris Exposition Minotaure, Palais des Beaux-Arts, Brussels以-111-

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