ート,1993年)が第4章“Medievalism"で分析している。また,中世文化とウィリアム・モリスとの関係については,ed.J. Harris, "William Morris and the ある。入りで写本の解説を行う,H.Shaw, "Dresses and Decorations of the Middle 飾を施した詩集や書物,そしてアマチュアのための技法書も出版されている。ヴァーゲンは1820年代には早くも彩飾写本を美術史上に位置づけ,ラスキンは1850年代に13,14世紀の写本を高く評価した。本からロセッティのアーサー王伝説を主題とする作品群への影響を指摘しておりファクソンの指摘部分以外にも多数の類似点が同時期のロセッティの作品に認められるため,ロセッティがオリジナルを知っていたと考えることができる。『薔薇物語』("Romande la Rose", 1490-1500年頃,フランドル地方,大英図書館Harleyティはしばしばショウの『中世の衣装と装飾』を利用し,この本には『薔薇物語」も紹介されているが,同本には複製されていない『薔薇物語』の細部を作品に取り入れており(Faxon,op.cit. p.103, note 25), またこれ以外にも多数の類似点が指摘できるため,やはりオリジナルを大英博物館で見ていたと考えられる。Middle Ages", Exhibition Catalogue, Whitworth Art Gallery, 1984がある。of the Middle Ages", 1844-1849,手彩色による,F.Madden, "Illuminated Ages", 1843等が登場する。さらに,写本装飾技法の復興も試みられ,写本風の装(1) 中世彩飾写本とラファエル前派の作品の関係を論じたものに,J.Treuhertz, "The Pre-Raphaelites and Mediaeval Manuscripts", Pre-Raphaelite Papers, 1984がある。彩飾写本とロセッティの作品の関係については,A.C.Faxon,"Dante Gabriel Rossetti", 1989(河村錠一郎・占部敏子訳『ロセッティ画集』リブロボ(2) A.W.C.Lindsay, "Sketches of the Christian Art"; A.Jameson, "Sacred and Legendary Art", 1848 ; "Legends of the Madonna", 1852 ;等の著作が(3) ページ全体を複写した多色石版画入りの作品集O.Jones, "Illuminated Books Ornaments Selected from the Manuscripts of the Middle Ages", 1833,挿絵(4) 『湖のランスロ』("Lancelotdu Lac", 1316-1320年頃,フランス,大英図書館ADD MSS.10294, 10295, 10296, 1836-1840年より収蔵)。ファクソンはこの写(A. C. Faxon "Dante Gabriel Rossetti", 1989, op. cit., pp. 92-94), また,MS. 4425, 1753年より収蔵)は当時芸術家の間ではかなり知られていた。ロセッ-251-
元のページ ../index.html#260