鹿島美術研究 年報第14号別冊(1997)
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1976(阿部治訳『ナチュラリストの誕生』平凡杜,1990年)に,またヴィクトリHistory 1820-1870, London, 1980(高山宏訳『博物学の黄金時代』国書刊行会,1995年)に詳しい。さらに自然科学と美術との関わりを概観したものに,BarbaraMaria Stafford, Artful Science, Cambridge, Massachusetts, 1994 がある。(9) 英国版のタイトルは『鯨(AWhale)』,同年11月にアメリカで刊行された折りにAhab': Herman Melville and J.M.W.Turner", in Turner Studies, Vol.5 No.2 (1985), pp.2-19 で詳しく考察されている。またStuart M. Frank, Herman Melville's Picture Gallery, Fairhaven, Massachusetts, 1986は,Paintings, Sharon, Massachusetts, 1965 を,また捕鯨および鯨学に関連したCollection, Peabody Museum of Salem, Massachusetts, 1987 を主として参whaling subjects", in Burlington Magazine, 127 (1985), pp. 75-83, Robert K. Wallace, "The Antarctic Sources for Turner's 1946 Whaling Oils", m Turner Studies, Vol. 8 No.1 (1988), pp. 20-31. Peter Bicknell, "Turner's The Whale Ship : A Missing Link?", in Turner 『美術史の六つの断面』(美術出版社,1992年)所収。(8) 近年,「博物学」学ともいうべき研究が多数なされているが,最も幅広い視点からまとめたものとして,N.Jardine,J.A.Secord & E.C.Spary (ed.), Cultures of Natural History, Cambridge, 1996 を挙げておく。そのほか英国における博物学の歴史は,DavidE. Allen, The Naturalist in Britain, London, ア朝における博物学の「流行」については,LynnBarber, The Heyday of Natural 『モービー・ディック』となった。本稿で使用したのは,幾野宏訳『白鯨」(集英杜ギャラリー[世界の文学]16:アメリカI)1991年。ターナーの絵が『白鯨』に与えた影響については,RobertK. Wallace, "The'sultry creator of Captain メルヴィルが同書の55• 56章で取り上げている作品の図版を集めたものである。(10) 捕鯨図については,M.V. & Dorothy Brewington, Kendall Whaling Museum 版画については,ElizabethIngalls, Whaling Prints in the Francis B. Lothrop 考にした。(11) 本文で後述するヴェニングとウォーレスも,捕鯨版画との関係からではないが,やはりこの順序で画面が進行していくと考えている。BarryVenning, "Turner's (12) ターナーとビックネルとの交流,および本文後出のハギンズの作品との関係は,-277-

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