25号,平成9年。氏が,3件を鹿島繭氏が,残る19件を筆者が担当した。(4) 拙稿「『高祖大師秘密縁起』考ー安楽痔院本の構成と内容ー」『奈良大学紀要』第(5) 渡辺昭五氏の著作は数点あるが,最新のものを一点だけ挙げておく。「(解説)尾道浄土寺弘法大師絵伝と他大師絵伝の比較」『伝承文学資料集成第十五輯宗祖高僧絵伝(絵解き)集』三弥井書店,平成8年。(6) 川崎市市民ミュージアム編集•発行『弘法大師信仰展』,図録番号5'平成8年。(7) 厳密に言えば,ここで浄土寺本と絵巻諸本の何れが先行する図様であるかを検討する必要があるが,それぞれの制作時期から,浄土寺本が先行することはあり得ないと考える。この点については,別稿で述べることにしたい。(8) 各作品およびその参考文献については,(注3)掲載書参照。ただし,個人蔵本は所蔵者の事情により未紹介である。三大寺家旧蔵本は第一巻が逸翁美術館,第二巻が総持寺,第三巻が藪本家の所蔵で,他は諸家分蔵あるいは所在不明。これについては拙稿四編も参照されたい。「三大寺家1日蔵『高野大師行状絵』考」,武田恒夫先生古稀記念会編『美術史の断面』所収(清文堂出版,平成7年),『奈良大学紀要』第23• 24号(平成7• 8年),『フィロカリア』13号(平成8年)。(9) 個人蔵本については,目次も各段標題もないので,これを六巻本の端本であると判断し,同系統の地蔵院本の事蹟名称を宛てた。第三幅の4「恵果入滅」の図様は,東寺本4-5「石碑建立」に最も近似するが,場面内容に合わせて事蹟名称を変更した。(10) (注9)参照。(11) 大師伝絵巻の他の四系統は何れもこの事蹟を収録している。(12) (注5)渡辺論文。付記本作品の調査にあたっては,所蔵者である尾道市浄土寺の御高配にあずかりました。また写真撮影は,大阪大学文学部の大橋哲郎技官にお世話になりました。末筆ながら,記して謝意を表します。-440-
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