1)保存環境整備2)美術品の保存状態管理3)学術調査研究4)情報資料整備5)教育普及と広報わってやってくれる労働者ではない。学芸員が机に座ってやる美術史研究を業務にしたいなら,数ある日常の雑務は誰かに,美術品の取扱いに直接関わることや技術や知識については修復家にというような専業化を目指さねばならなくなるだろう。イギリスから日本に美術品に付き添って来るクーリエは,殆ど修復家であったりするのは,まずは何か事故があったときには即対応できる修復保存担当者の業務スタンダードになっているからである。ここで過去の権益にしがみつかないで,専業化によって明確に業務を分配する必要がある。それには基本的に美術館のあり方が重要になるというのはこの時点であり,方針の確認各係の業務内容,権限と責任の見直しを行うべきである。以下に大まかな修復保存担当者の業務を述べる。温度湿度管理(空調)照明,展示,収蔵,輸送,防犯防災状態点検と調書作成,修復処置貸出処置,災害対応所蔵品調査(オリジナリティ,技法,材料)修復材料,技術研究光学調査資料の蓄積,図書資料整備後続の研修育成美術館利用者の啓蒙,学術調査展覧会,講演等上記の各項目は詳細な説明を省略しているが,例えば1)保存環境整備の「展示」は所蔵品の常設展示の環境が,専任の担当者で絶えず管理され,適切な美術品の保存-513-
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