鹿島美術研究 年報第14号別冊(1997)
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10)文正草子1 12792 (a■C) 2 外題:ふんしやうぃふんしやう中,ふんしやう下93 江戸前期(17世紀後半,寛文頃),袋綴3冊4 24 X 17. 8, 65丁(上:遊紙1丁+19丁+遊紙2丁,中:遊紙1丁+25丁+遊紙25 表紙:黄地椿唐草文様錦,見返し:金布目地,6 漢字平仮名交じり,1面10行7 濃彩16図(上:2オ,4ウ,6ウ,12オ,15ウ/16オ,中:2ウ,7ウ,11オ,1411 上下のすやり霞に金戟箔を散らす,装束や調度など描写は細密にして彩色も華麗,Chester Beatty Library本(CB1011)などと同様の繊細優美な典型的嫁入り本。11)文正草子1 12793 (a■c) 2 外題・内題とも無し,題策:白地銀箔散らし3 江戸前期(17世紀後半,貞享・元禄頃力)袋綴3冊4 16X23.l, 60丁(上:19丁,中:18丁,下23丁)5 表紙:紺紙,料紙:鳥の子6 漢字平仮名交じり,1面13行7 濃彩17図(上:2ウ,4ウ,8ウ,13オ,17オ,中:2ウ,7オ,9ウ,16オ,11 上下にすやり霞(墨線と白の括りに白群)箔押しの金雲をその内側に置くものも。水流等,12783(相模川),12784(佐世姫)に酷似。表紙も同種。同ーエ房の揃い本カ題策:白地金泥霞引き箔散らし・金泥草花下絵丁,下:遊紙1丁+21丁+遊紙2丁)ウ,17ウ,24ウ,下:2オ,6ウ/7オ,10オ,14オ,18オ)*内見開き2図下:3オ,5オ,10ウ,13ウ,16オ,17ウ,19オ,22オ)描写は精緻,特に金屏を細密に描く。水墨の押し絵貼り金地屏風も見られる。装丁は12787(法妙童子),12788(火桶の草子),12805(今宵の少将)などと同種。絵はそれらと同筆ではないが,同類の様式(それらのなかで最も丁寧な作画)を-545-

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