の挿し絵について(1)『フランス革命史』全2巻(パリ国立図書館,La32246C, 1/2。フォリオ版)の第1巻は7書に,第2巻は9書に分かれ,各書はそれぞれ4から15の章に分かれている。1巻の最初に各種の序文がつき,2巻の最後に結論が付されている。扱っている時代は旧体制末期から国民公会の終焉までである。が見られる。入り」版画実数は,数え方にもよるが,この数字と大きくは異ならない。ところで,タイトル・ページの次のページには,前ページと同じタイトルや上記の挿し絵についての注記や出版社名などがふたたび印刷され,さらに次のような二つの注記が見られる。「配本1回につき10サンチーム。週2回配本。1回の配本分は本文8ページと約4点の版画を含む。配本150回分で全巻完結予定。」「配本4回の1シリーズ50サンチーム。週1シリーズ。各巻は32回の配本分と約150点の版画を含む。1巻の価格は4フラン。」報告者はこの二つの注記の首尾一貫した解釈にはまだ至っていないが,これから一つだけ明らかになることは,1868年版の『フランス革命史』が分冊のかたちで数日おきに販売されたということである。またこれらの注記が印刷されているページにはタイトル・ページと重複する内容(タイトルや挿し絵についての注記や出版杜名など)が印刷されており,内容的につけ加えられている点は配本に関するこの二つの注記のみであるところから,これが初めから書物として製本される場合に必要なページだったとは思われない。したがってパリ国立図書館蔵の『フランス革命史』は,分冊のかたちで配本されたものを製本したものであり,このページはその説明のために挿入されたもの_あるいは第1分冊の表紙だったかもしれない一ーと考えられる。このページの次のページの「編者記す」と題された短い文章には,挿し絵についての次の一節が含まれている。「鉛筆とビュランによるこのドラマティックな注釈の制作は,もっとも優れた芸術家たちに委ねられた。彼らはこの装飾を,きわめて信憑性に溢れた史料に依拠した美術Louis Blanc : Histoire de la Revolution Francaise, Paris, Figaro, 2vols, 1868. 第1巻のタイトル・ページのタイトルの下には,挿し絵についての次のような注記「M.H.ド・ラ・シャルルリ素描に基づいて,選ばれた芸術家が制作した600点の版画-555-
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