鹿島美術研究 年報第15号別冊(1998)
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•石像=48例•石浮図,玉浮図,浮図,塔,石塔,霊塔,石塔形像,得道塔=計9例•四面像(象),四面石像,石四面像,四面諸仏,四面六龍石像,四面十二堪像=計19例•石龍華像=1例,室象石像=1例,石銘=1例形式と石碑形式以外の仏塔形式や宮殿形式,寵像形式についても,関連する造像と思われるものについては「形状分類別作品リスト」に収録した。ただし,現状から当初の形態を把握できない作例もあり,この分類が完全であるとはいえない。地域については,現存する作例はすべて中国北半部(五胡十六国,北魏,東魏,西魏,北斉,北周,隋,唐の地域)の製作で,特に北朝期に最も盛んであったと思われる。主要な造像地域としては,甘粛,映西,山西,河南があり,このほか河北,安徽,山東,寧夏などにも少数見られる。中でも山西は,西南部は挟西と,南部は河南と,東南部は河北と接するために,造像碑の形状も作風も多彩である。ところが南朝地域の作例はほとんど見当たらず(注11),南朝においても北朝同様に仏教造像碑が流行した可能性は低いといわざるを得ない。く名称〉銘文中に記された名称について調べると,次のような結果がでた。・造像=4例・尊像名(佛道像,繹迦大像十二堪,果累迦牟尼百七十佛像,皇老君文石像,繹迦牟尼像,五十三佛,太上道君石像,大道如来二聖真容,弥勒像,七佛賓堪井二菩薩賢聖諸僧弥勒下生梵王帝繹,十六王子像,老君像,文石像,繹迦太上老君諸菩薩石像,阿弥陀像,千像など)=計31例。.碑像石碑像交龍石碑像石像之碑,神碑,碑石像変相碑=計13例・玉像玉佛像白玉石像白石像=計9例・天宮,天宮石像,天宮四堪像=計5例最も多いのは「石像」で,特に早期に多い。次は専像名である。従って,個体石彫像は一般的には単に「石像」あるいは「(尊像名)像」と記し,特殊な形態については「碑」や「四面」「塔」「天宮」などの語を付加するようになったものと推定される。また,玉石製の場合はそれを顕示して「玉」「白玉」の文字を加えている。-363-

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