ハ叫円,Qυ耶頓得如意宝珠陀羅尼経』『仏説即身貧転福徳円満宇賀神将菩薩白蛇示現三日成就経』『仏説宇賀神王福徳円満陀羅尼経』『仏説大宇賀神功徳弁才天経』『大弁才天女秘密陀羅尼経」のことである。この『弁天五部経』で弁才天と宇賀神が結び付けられているのである。『仏説最勝護国宇賀耶頓得如意宝珠陀羅尼経』で金剛手菩薩が集会にいる宇賀神将のことについて説く:「如天女頂上有宝冠冠中有白蛇其蛇面如老人…身如白蛇如白玉」。宇賀神一一一ここでは弁才天の姿に他ならない一一一八曹の形で現われる:「有入管左第一鉾第二輪宝第三宝弓第四宝珠右第一剣第二棒第三鎗第四箭」。この入管像の持ち物を『金光明最勝王経』の八腎弁才天の持ち物と比べると,斧と罵索の代わりに,宝珠と舗が加わっている(弓=宝弓;箭=箭;万=剣;襲=鉾;長杵=棒;鍛輪=輪賓)。『仏説宇賀神王福徳円満陀羅尼経』には,別の図像的な記述がある:「頂上冠白蛇具足四腎左第一手持如意宝珠第二手持印論右第一手持剣第二手持鉾j。『仏説最勝護国字賀耶頓得如意宝珠陀羅尼』と『仏説宇賀神王福徳円満陀羅尼経』に,宇賀神は十五王子(童子)に取り巻かれていることも記している。『仏説即身貧転福徳円満宇賀神将菩薩白蛇示現三日成就経』によると,鎗は宝蔵の鎗である:「以宝蔵印鎗施妙弁才J。宝珠と舗は財宝神としての性格の出現を指し示している。宇賀神はお金持ちになるため祭られているのである。その礼拝方法は『弁天五部経』に説かれている。江の島神社に鎌倉時代の入管宇賀弁才天像〔図2〕がある。木造坐像で,高さは59.3センチである。持ち物は『仏説最勝護国字賀耶頓得如意宝珠陀羅尼経』の記述と同じだが,それぞれの手に物つものが経典の弁才天の左手の場合とは違う。経典によると「右第一剣第二棒第三鎗第四箭」であるけれども江の島神社弁才天像の右手には(上から)鎗,棒,箭,剣である。この像の宇賀神,宝珠と舗は一一一興味深いことに皆『金光明最勝王経』にはなく『弁天五部経』の新しい点一一後で付け加えられたものである。江の島神社弁才天像は『金光明最勝王経』の斧と羅索が後に宝珠と舗に持代えられたという可能性はないと思う。仮に謂索を持っていたとしても,その手は今宝珠を持っている左手真中(第四)でしかありえないが,その手は先述した東京芸術大学に所蔵されている逗子絵〔図1〕のようにきちんと罵索を握るにしても,聞きすぎているからである。江の島神社弁才天像の持ち物は上述の如くであるが,『仏説最勝護国宇賀耶頓得知意宝珠陀羅尼経』よりも,全体的な彫像のバランスがいいだろう。入管像の弁才天は右第一(一番上)の手には剣をほとんど握らない。その理由は他の手が見
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