nwu の期間で実施され,これに加えて,毎年,二ヶ月間ほどの夏のシーズンが実施されていた。これらのプログラムのうち,特にレギ、ユラー・シーズンのものについては,必ずその年に開講される総ての科目と担当教官,そして受講料が一覧として掲載されている。つまり,このプログラムによって,カードに簡略化して記載された受講科目等についての情報を正確に確認することができるようになるのである。このプログラムについて,今回の調査で入手することができたのは1894年からのシーズンのもので,初期には欠落が多いものの,1911年以降については,レギュラー・シーズンのプログラムの該当箇所を大部分入手することができた〔表2〕。これによって,各学生の受講科目と担当教官をほぼ確実に把握できるようになった。なお,夏のシーズンのプログラムについても,一部入手しているが,開講科目の記載のないものも含まれており,今後,改めて調査して報告をしたいと考えている。カードとプログラムという,調査以前からその存在を承知していた資料以外に,今回,外部の者に初めて明らかにされた非常に重要な基本資料がある。それは,<Year〔表3〕。これは原則として各年次ごとにl冊が作成されているが,2冊から5冊の分冊とされているときもある。そして,この分冊の台帳のあるシーズンにはくIndex〉が別に作成されている。結果的にこのくYearBook)が,在籍学生の情報を得るための第一次資料であることが判明した。とはいえ,現状ではくY巴arBook)の存在が確認できた年次は,1880年代から1910年ころに集中しており,その後のものは一部しか確認できていない。このくYearBook)の存在は,今回の調査最終日に,我々が担当司書とともに,倉庫のなかで各種の資料(経理台帳など)と混在しているものの中から探し出して整理したものであり,学校側でもまだどれだけ残されているかは把握できていない。今回は,残されているものの年次を確認することだけに作業をとどめざるをえず,とても内容調査には着手できなかった。我々が今回総合的に調査したカードが,すべて完全に残されているとは限らない可能性があり,<Ye紅Book)は,カードで抽出した日本人たちのより正確な在籍年次等の確認作業,また,在籍した可能性があるもののカードではその事実を確認できなかった美術家ついての調査に役立つものと思われる。それには具体的な内容の吟味以前に,同校に保管されているはずの,他シーズンのくY巴arつ中
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