rE繋ぎ文波に岩文水に魚文摩掲魚文波に摩掲魚文波に海亀・摩掲魚、文波に龍文波に海亀文水に亀文パルメット唐草文花連珠円文唐草丈唐草花文雑宝文くさび文抽象文上記によると中野玄三氏が指摘しているように,水墨障壁画はほとんど唐の場面に描かれていることが判明する(注7)。しかし,それ以外にも注目に値するのは,摩掲魚,魚,亀,波,水などの海(水)に関わる文様が特に天竺の場面に頻出することである〔図2〕。これは,場面が唐から天竺に移り変わり,未知の国天竺としての異国性を強調しようとした効果を求めてのことと考えられる。海は異界と日常世界との境界に存在するものであることから,異界のイメージとしてこのような海(水)に関わる文様を多く描くことにより天竺を象徴させたのではないだろうか。皿雲の役割絵巻物において震は単なる景物描写のみならず,場面の継続や切断など絵巻の場面展開において重要な役割を果たしている。同様の役割をもつものに,湧雲(霊芝雲)が存在する。しかし,この湧雲はまた別の意味付けをもつことが多い。この霞と雲の両者のもつ役割を端的に示した例が春日権現験記絵である。春日権現験記絵では,日つム4 3 6 2 6-2, 7田43 2 6 1 7 5 7 9 3-4 4-4 6 1 7-2・4・98-2・3,9-1 7 8 6-7 4-3 3-1, 4 3, 6 7, 7 3, 7 5, 9 1・2・3
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