術』11,昭和26年)。ただし本像は称光天皇の御代始三壇法の本尊が満済に下付さ合戦絵」十一巻(嘉吉3年4月9日)。また,同記永享8年7月4B条,嘉吉3年相当であることから,武蔵守であった高師直を主人公とする合戦絵巻である可能性がある。これは,「赤松円心合戦絵」とともに,足利将軍家の絵巻コレクションに平安から鎌倉初期の合戦だけでなく,室町幕府草創期の武将の合戦を描いた絵巻も含まれていたことを示しており,その制作目的など興味深い問題を提起する。(同高柳光寿氏前掲げ主11)文献同佐和隆研「室町初期の普賢延命画像とその筆者一隆昌・行忠・行秀一J(『仏教芸れたものと考えられるため,純粋に醍醐寺のための画事とは言えない。4月20日条に記される「高大夫絵jは,大夫が五位の通称で,武蔵守が従五位上-314-
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