(1)根津美術館A本(「誰ケ袖美人図」)(2) 高津古文化会館本(「誰ケ袖美人図J)(3)根津美術館B本六曲一双〔図3〕(4)本興寺本六由一双〔図4〕(5)柳家A本二曲一隻〔図5〕(6) ホノルル美術館本六曲一双〔図6〕(7)個人蔵本六曲一双(8)柳家B本六曲一隻〔図7〕(9) メトロボリタン美術館A本六曲一隻〔図8〕(15)出光美術館本六曲一双〔図13〕匠の伝統が背後に透けて見えることも無視できない。つまり,「誰ケ袖図」には本来的な「衣桁飾り」の画題に歌意絵や遊女風俗図といった複数の要素が融合,結合しているという見方が出来ょう。そこで本研究では,「誰ケ袖図」の本質的部分である「衣桁飾り図」のみに注目して,その図様を検討したいと考えた。具体的には,「誰ケ袖図扉風」諸作例の図様を整理して,典型的図様成立とその展開を考察し,そこに描かれた小袖意匠の様式変遷を併せて考察することで,制作年代の目安を得ることを試みた。こうした試みは,意外にもこれまであまり十分に検討されてこなかった様に思う。一.構図の特徴筆者が実見の機会に恵まれたか,比較的良好な図版を入手できたものとして次のような作品がある。同三井文庫A本六曲一隻〔図9〕加)三井文庫B本六曲一隻〔図10〕同メトロポリタン美術館B本六曲一隻〔図11〕仰)メトロポリタン美術館C本六曲一双(同根津美術館C本六曲一双〔図12〕同サントリー美術館本六曲一双〔図14〕制ギメ一美術館本六曲一双同フリーア美術館本六曲一双六曲一双〔図1〕六曲一双〔図2〕330
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