鹿島美術研究 年報第16号別冊(1999)
619/759

(3) 真保亨氏「道賢上人冥途記と北野天神縁起」(『筑波大学芸術年報』88昭和63年)(4) 『角川絵巻物総覧』(平成7年)の吉田友之氏解説による。(5)拙稿「弘安本北野天神縁起絵巻再考系統諸本の考察からJ(『美術史H46号平(6) 吉田友之氏は,「北野天神縁起根本縁起私考一所謂「古編縁起八軸をめぐってJ(『美霊験不思議ーにあらさる中に」の丙類の三種に分類された(梅i幸次郎氏「天神縁起絵巻一津田本と光信本」『美術研究J126 昭和17年)。(幻想定先行本の位置づけと転写諸本間の派生関係を明確にするため,ここでは転写の直接の範本となったものを「原本」,図様上の原点にあるものを「祖本」と呼ぶこととする。成11年3月)術史』90-92昭和51年)及び「天神縁起絵の系譜」(『新修日本絵巻物全集』九)において,承久本第九巻白描下絵の「官位追贈」「仁俊潔白」などの画面がメトロポリタン本,北野本地本と図様上きわめて近似することから,これらの作例に共有される祖本の存在を指摘された。この説によってのちに村瀬実恵子氏は,X本,Y本といったそれら3作例に関る先行作例を想定された(「メトロポリタン本天神縁起絵巻」『新修日本絵巻物全集』別二昭和52年角川書店)。609

元のページ  ../index.html#619

このブックを見る