(1) 外国人研究者招致II −「美術に関する国際交流の援助」研究報告① 詫磨派研究1 • 1998年度援助(Study on Takuma School) 招致研究者:パーク美術財団主任学芸員(ChiefCurator, Mary &Jackson Burk Foundation) 報告者:慶麿義塾大学文学部教授申請者:同上期間:1998年6月l日〜1998年7月31日招致研究者の研究活動状況グレイシア・ウィリアムス氏を招鴨した目的は,同氏が目下研究中の託磨派に関する研究報告と研究者との意見交換を主とし合わせて同氏の日本における研究資料の調査蒐集を支援することにあった。具体的には,慶麿義塾大学大学院生を対象に一回の講演と,室町水墨画研究会(於:東京国立文化財研究所)における一回の研究報告を行い積極的な意見交換を交わす機会がもたれ,一方,東京国立文化財研究所の島尾新氏および井出誠之輔氏とともに託磨栄賀作品に関する共同調査を実施するなど,研究交流に顕著な事績をあげた。以下は,ウィリアムス氏が,東京国立文化財研究所で、行った室町水墨画研究会における研究報告(口頭発表)を纏めたものである。これをもって本報告に代えることにしたい。わたしは,いま託磨派について色々と調べておりますが,今日は,その中から託磨栄賀の二つの作品,すなわち,大阪市の藤田美術館の「十六羅漢図」と三重県の大樹寺の「仏浬繋図Jについてお話ししたいと思います。ご承知のように,託磨栄賀の輪郭はあまりはっきりとしていません。河合正朝グレイシア.c.ウィリアムス(GratiaC. Williams) -729-
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