全6作品の所見を提出している。その中で,シンケルはフンメル作品の構図の巧(5) ガルニソン教会の装飾プロジェクトの詳細は,以下を参照。PaulOrtwin Rave “Die (6) シンケルは,作品の公開に先立つ1817年の12月,ガルニソン教会を視察,国王に(7) フンメルは遠近法と投影法の教科書など,数冊の書物をしるしている。以下にそ(8) 鏡の伝統的な使用方法については,1998年に,ロンドンのナショナルギャラリー(9) この平面図は,現在は失われている完成作にのみ明確に認められる。本研究は,friiheren Gemalde der Potsdamer Garnisonkirche Kunst und Kirche 10 1933, S. 63-70.レオナルド以外に規範とされたのは,コレッジョ(『誕生j),ニコラ・ルスール(『洗礼』),リユペンス(『十字架降下』),ラファエルロ(『昇天』)である。残る一枚『トマスの懐疑』の範は明らかにされていない。みさに言及し,賞賛している。Rav巴,Ders.のタイトルを,年代順に記す。DieFreie Perspektive. Berlin 1824/25, Geometrisch-Praktische Construktion der Schatten戸rArchitekten und andere zeichnende Kiinstler. Berlin 1830, Die Saeulenordnungen nach Vitruv. Berlin 1840, Anleitung zum Pro jektions oder geometrischen Zeichnen. Berlin 1844 で開催された展覧会のカタログが,包括的な知見をまとめている。Miller,Jonathan, On Reflection. National Gallery Publications, 1998 ベルリン美術図書館に所蔵されている,完成作の複写不可能な写真に基づく0(10) Nagler, Neues Allgemeines Kiinstler-Lexikon. Miinchen 1838, S. 362 旧)フンメルが1816年のオランダ旅行後に制作された,女性像の模写は,フンメルのオランダ絵画研究の質の高さを物語っている。この作品のオリジナルはかつてファン・デル・ヘルストの作品であると言い伝えられてきたが,現在はフレッド・マイヤ一氏(デン・ハーグ美術研究所)の協力により,ヤン・ファン・ノールトのイ乍品(パリ,フロッツ・ルクト・コレクション)であることが判明している。(12) ゲーテに宛てた長文の書簡で,フンメルは自作の解説を試みている。Goethe四undSchiller-Archiv Weimar. abgeschrieben von Georg Hummel, Aus dem Briφvechsel van J.E. Hummel. S. 18. B巴rli肌Kunstbibliothek.(Archivmaterial) (13) ミュンヘンで開催された展覧会「夜」のカタログ(DieNacht. Haus der Kunst, Miinchen, 1998)は,絵画史における様々な「夜Jの側面を考察するうえで示唆にとむ。-173-
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