鹿島美術研究 年報第17号別冊(2000)
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(3) 『文字絵と絵文字の系譜』渋谷区立松濡美術館,1996年(4) 山下裕二「能阿弥序説」『国華』1146,1991年(5) この位相差の問題を考えるにあたっては,Mey巴rSchapiro,“Script in Pictt紅白:(6)小峯和明「画中詞の宇宙物語と絵画のはざまJ『日本文学J41, 1992年(7) 芸阿弥の観海図と狩野派の観爆図との関連については次の文献に指摘がある。その外に属するものであるためと解釈することはできる。しかし,同時代の年紀を有する仏画が皆裏書であるという泉武夫の指摘を考慮すると,むしろ平安仏画においては位相差のある文字を絵画空間内から排除しようとする傾向があったと理解すべきであろう。さらに,1328年の年紀と良全の落款が沙羅双樹の幹に書き込まれた「浬繋図J(本覚寺蔵)なども考慮に入れながら,仏画における落款の問題について考える必要がある。今後の課題としたい。泉武夫『仏画の造形』吉川弘文館,1995年,初出は1980年佐野みどり「文字と絵とj『日本の美学』30,2000年Semiotics of Visual Language , Words, Script, and Pictures : Semiotics of Visual Language, New York, 1996, pp. 115-198より多くの示唆を得た。秋山美津子「画中詞の出現と絵巻物の展開一『道成寺縁起絵巻』成立まで−」『美皐・芸術皐』11,1996年田中ー松「室町時代における観爆図の系譜」『日本絵画史論集』中央公論美術出版,1966年,初出は1957年島尾新『日本の美術338水墨画一能阿弥から狩野派へ』至文堂,1994年266

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