第4点残片の中心部には山を置き,山の左に一羽の鳥,鳥の後ろに動物の頭を描2 山西省検杜県河崎郷河底村画像石榔の狩猟図〔図2〕第5点残片の中心部には一人の騎士が振り返りながら,右手を挙げている。その1976年,検杜県河崎郷河底村の農民が段段畑を造る時に掘り出したもので,出土状3 山西省大岡市南郊張女墳墓地彩絵木棺蓋の狩猟図〔図3〕1988年8〜11月,大同の城南3キロに位置する張女墳北貌墓地で山西省考古研究所騎士の下半身は失われている。一匹の虎が後ろの二本の足と尻尾を高く挙げ,口を聞け,騎士を追いかけている。虎の後ろには山があり,山の上に一羽の鳥を描いた。さらにその左に山に向いて走っている二匹の猪と逆方向へ走っている馬の二本の後ろ足が見られる〔図13〕。き,右に虎のような動物の二本の前足と右の耳が残っている〔図1-4〕。前に,もう一匹の馬の後足と尻尾が残っている〔図1-5〕。以上の残片に現れた騎士が皆鮮卑族の伝統的な風帽をかぶり,「爽領小袖J式の外套をまとい,ズボンと黒い靴を穿く。描き方には特徴があり,人物と馬は写実的に描き出されているが,虎と鳥はいずれも想像上の禽獣のポーズで,山の峰は仙人掌のように立ち,頂上は円形になっている。況は不明,前桔と左右側板は残っているが,底板・蓋・後桔はもう存在しない。側板の長さは220cm,高さ80cm,厚さlOcmという。左側板の中央に白虎,その前に竹馬・棒乗り・連続玉投げなど雑技の場面を描いた(注3)。狩猟図は北貌の同類作品中もっともシンプルなものと言えるが,白虎の尻尾の上下に描かれている。尻尾の上に一匹の犬と偶蹄類動物が立ち,その後ろに,1人の狩猟者が徒歩で弓をヲ|いているが,何を狙っているのか,まったくわからない。尻尾の下に猪のような動物が3匹ゆっくり歩いていて,その前に,鹿が一匹必死に走っている。構図は計画性がなく,狩猟の緊張的な雰囲気も感じられない。と大岡市博物館によって167基古墳が調査され,美しい彩絵が描かれている木棺の残片が四点出土したという(注4)。その内の一点,残欠した木棺蓋は,1990年10月に高崎市の主催で聞かれた『中国山西北朝文物展』に出品されたが,展示図録の説明文によって残棺蓋は,長さ150cm,幅45cm,二枚の板からできた物。表面に黄色い地に黒い墨線で輪郭をとり,赤,緑,黒三色で色どる。辺縁部に波状半パルメット紋を飾り,帯状の藤蔓の曲がっている部分に前後重なって,立体感強く表現されている。蓋の中心382
元のページ ../index.html#393